「美依は!?」


 玉緒の質問に、走りながら必死に首を振る。


「……犠牲になったってことか。こっちもこのまま逃げてちゃだめだ! 次の階段で二手に分かれるよ!」


 玉緒の合図で、現れた階段を遥は下に降りて行った。


 玉緒はそのまま横にそれ、傍にあるトイレに駆け込む。


 そしてあたしは。


「な……んでこっち来んの!」


「だってもう、追いつかれそうだったんだもん……」