「――な、なんで2人とも走ってるの!?」


「なんでって、カミサマに追われてるからに決まってんでしょーが!」


 その言葉を聞くと同時に、廊下の角から現れたのは。


 蝶々の描かれた青い着物を振り乱して重たい足取りで、けれど着実にあたしたち3人に近づいてくる少女の姿だった。


 その顔は白地の和紙で隠され、達筆な「弐」の文字が大きく書かれている。


 突然のことであまり覚えていないけれど、あたしがさっき目にした少女は、赤い着物で顔には「壱」と書かれていた。


 つまり、カミサマは複数いる――!