「で……でも美依は逃げないの!?」


 細かく震えながら立ち上がるあたしの視線の先にいるのは、勇敢にも少女と対峙する美依の姿だった。


 逃げようとしないあたしに「ちっ」とらしくない舌打ちをすると、


「カミサマはね……」


 と話し出す。


「カミサマはね、めちゃくちゃ足が速いの。だから2人で逃げたら2人とも捕まっちゃうの。ここは私が時間を稼ぐから、新菜は玉緒たちと合流してこのゲームをクリアして!」


 ゲームをクリアすれば私は死なないから。そう悲しげに笑う美依の姿は綺麗で、あたしは何だか、もう二度と美依と会えない気がしてしまったんだ。