――ガッ!!!




 足首を誰かに握られた!


 頭では理解しているものの体が追いつかず、あたしは握られたままの右足を前に出そうとしてすっ転ぶ。


 そして、地面と同じ高さに視点を移したあたしが見たのは、グランドピアノの下から青白い手を伸ばす少女の姿だった――。


「逃げて!!」


 美依にタックルされ私の体が吹き飛ぶと同時に、足首を掴んでいた手も離され逃げることが可能になる。


 だけど咄嗟に動けないあたしを、美依が強く押し出した。


「はやく!!!」