「私たちは千帆をほしがるの。いい?」


 美依の声に、玉緒と遥が心得たように頷く。


 あたしはというと、全然わかんない。


 ただ全然わかんないなりに、このゲームをクリアするには美依の指示に従うのが1番だということは理解したので、あたしも2人に合わせ頷いた。


「じゃ、始めるよ。くれぐれも、歌ってる最中は手を離さないでね」


 そんな重要なこと、さっきは教えてくれなかった……!


 もしさっき歌っている間に手を話していたら、どうなっていたのだろうか。考えるのも恐ろしくてやめた。