そんなあたしのことは気にも留めずに、


「勝〜って嬉しいはないちもんめ」


 と美依が歌い始めた。


 それに合わせて、自然と体が慣れたリズムで前に歩き出す。


「負け〜て悔しいはないちもんめ」


 次に歌ったのは玉緒だ。


 私たちもそれに合わせて後ろに下がった。


 そのフレーズは、永遠と繰り返されるように思えるほど、根気よく長く歌われ続けた。


「勝〜って嬉しいはないちもんめ」


「負け〜て悔しいはないちもんめ」


「勝〜って嬉しいはないちもんめ」


「負け〜て悔しいはないちもんめ」


「勝〜って嬉しいはないちもんめ」


「負け〜て……




『負け〜て悔しいはないちもんめ』