そして。


 ――来てしまった。


 来てしまった来てしまった来てしまった。


 夜の匂いのする校舎の前で立ち止まりながら、あたしはこれまでの行動を自問自答していた。


 昼過ぎ、3人と別れてからあたしは、家に戻って晩ごはんを食べて、好きなアイドルの出る歌番組を見て――そして、気づいたらここにいた。


 あたしの親はそんなにうるさく言わない方だけど、それでもさすがに21時の外出は怒られるだろうから、2階の窓から抜け出してまでここに来たのだ。