新菜のお墓に近づくと、


「わっ」


 後ろから目を塞がれ、「だーれだ」と楽しげな声が聞こえる。


 背中に当たるこの豊満な感触は……。


 あたしは複雑な気持ちになりながら、はぁとため息をつく。


「美依でしょ?」


「ふふ。あたりー」


「もう。お墓まいりなんだからふざけないで」


 ひゅうひゅうと口笛を吹く美依は、あたしのお説教なんてどこ吹く風だ。


「昔はもうちょっと真面目だったと思うんだけどなぁ」


「正論ばかり言っていても人生楽しくないでしょう?」