「…………光希、見つけた」


 こぼしたあたしの言葉に、男の子が驚いたようにこちらを向いた。


 そして、あぁと納得したように頷く。


「僕を見つけないままでいたら全員殺されちゃうもんね。それなら、あの意地悪なクソビッチの命で交換した方が合理的だよね」


 世界が舞い落ちていく。3年1組の蛍光灯があたしたちを照らし、


「僕としては正義面ばっかする女とか、大人しそうな顔して暴力的な女もこの世からいなくなってほしかったところだけど……」


 そう笑う男の子の頰を、あたしは張り倒した。