裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜

 あたしはただ、喉の奥でひゅうひゅうと息をするだけだった。


「言わなくていいの? それならこのゲームは負けってことで、君は奪われちゃうけど」


 それならそれでいいや、と背を向けた男の子のシャツの裾をかろうじて掴むと、あたしはやっとの思いで言葉を絞り出す。


「……あたしが奪われたら、どうなるの」


 あたしの質問に、男の子はつと右上に視線を向けた。


「うーん、君はもともとこの世に存在していなかったんだろう? それを僕の命で捻じ曲げて無理やり存在することに仕立てあげたんだから、今度は君が奪われたら……わかんないなぁ、不条理って難しいね」