裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜

 8年ぶりに裏はないちもんめに参加する千帆を2階に置き、他の3人で1階と3階を探しきる作戦。


 あたしと美依がはじめにやってきたのは昇降口だった。


 校舎の中央に位置するそこを起点に、左右に分かれて探していく。


「じゃあ私は左行くね。ちゃんと逃げなさいよ」


「美依こそ。じゃあね」


 振り返ることはない。月夜の照らす廊下をただ1人進んでいく。


 昇降口の右隣は多目的教室だった。今は物置と化しているそこは、ガラクタが多くて探すのに時間がかかりそうだ。