あたしだって、あの地獄のような世界にもう1度身を置くのは嫌だった。


 だけど現実として、玉緒は最後のゲームから目を覚まさない。裏はないちもんめはまだ、終わっていない。


「……もしかして、またゲームを始めたの?」


 恐る恐る質問を重ねる千帆に、答えたのは美依だった。あたしが口を開くより早く、「そう」と短く言い切る。


「探したのはあなたよ、千帆」


「そんな……っ」


 信じたくないというように耳を塞ぎ、千帆はうずくまった。


 どうすればいい?


 落ち込む友達を前にかける言葉が見つからず、あたしと美依は顔を見合わせる。