傍らでは遥が、世界が終わると同時に癒えていく傷に目を見開いていた。


 玉緒はまだ目を覚さないみたい。


 そして。


「……ここ、どこ?」


 丸眼鏡の向こうの瞳をぱちくりと瞬かせた千帆が起き上がったとき、あたしたちは思いっきり抱きついた。


「え、新菜!? 美依に遥に玉緒まで……どういうこと!?」


 千帆が状況を完全に理解できるのは、まだ先みたいだ。


 だけどとりあえず今は。


「千帆、久しぶり!」


 あたしは力いっぱい千帆の温かい体を抱きしめた。


 ◇