はらはらはら、と世界が舞い落ちてくる。


 月の明かりしか頼るもののなかった世界が終わり、現れたのは蛍光灯に照らされる明るい3年1組の教室だった。


「ゲームが終わったんだよ」


 一部始終を近くで見ていた美依がゆるやかに微笑む。


「……ほんと? 本当に、終わったの?」


「うんほんと。今日からは安心して眠れるよ」


 うわあああんと、あたしは美依の胸に飛び込んだ。


 毎晩21時からゲームをしなければいけない生活は、思っていた以上にあたしの神経をすり減らしていた。


 夜寝られないぶん昼間に寝てばっかりいるからお母さんに怒られるし、本当に本当につらかったんだ。