玉緒はあたしたちの存在を認めると、糸が切れたようにふっと倒れ込んだ。


 慌てて駆け寄る美依に包丁を渡すと、


「これ、使って……黄色のカミサマ……」


 それだけ告げると瞼を閉じる。


「玉緒!! 玉緒!!!!」


 そこから、何度呼びかけても玉緒が目を覚ますことはなかった。


 黄色のカミサマ。玉緒が命がけで伝えてくれた新たなカミサマの存在に、あたしと美依は目を見合す。


「行こう」


 あたしのその言葉に、美依は強く頷いた。