裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜

「ちょっと手伝ってくれるとありがたいな」


 という遥の頼みで、あたしたちは一緒に保健室を出ることになった。


 ドタドタと聞こえる足音を追いかけながら、なるべく早く美依の元へ向かう。


 走りながら、あたしは遥を横目でちらりと見て、


「……なに?」


「い、いやなにも……」


 そう言いながらも、ちらちら遥を見るのをやめられない。


 いつも静かだった遥が、モップを持った途端頼もしくなった。もしかして、二重人格? なんて。