「……!」


 あたしたちは瞬時に息をひそめると、あたしはベッドの下、遥は掃除用具入れの中にそれぞれ身を隠す。


 す……っ、す……っ


 幸いにも、音は遠ざかっていくようだった。


 ほっと息をついたのもつかの間、


「いやーーーーっ!」


 声が響いたと思うと、ドタドタと廊下を駆ける音が聞こえる。


「今のって……」


「美依の、声だよね」


 あたしと遥の意見は一致した。