「え!? 光希の性別? 女じゃないの!?」
「ちょっと新菜、声が大きい……」
おたおたする遥に、「ごめん」と謝りながら、それでも意識は光希のことへ向かっていく。
「やっぱり新菜は光希のことあんまり覚えてないんだね。たしかに女の子っぽいところもあったけど、光希はれっきとした男の子だよ」
遥にもう一度真実を伝えられても、やっぱりあたしの頭は受け入れられそうになかった。
パニックを起こすあたしをよそに、遥の話は続く。
「それでね、あたし思ったの。オババが言ってたでしょ? カミサマは男社会の生んだ負の側面だって。
ならそのカミサマが人を助けたくて始めた儀式に、男の子が紛れ込んじゃって、その上カミサマ側に《いらない子》として渡しちゃったら……あんまりよくないんじゃないかなって」
そのときだった。
す……っ、す……っ。
着物を床にする音が聞こえたのは。
「ちょっと新菜、声が大きい……」
おたおたする遥に、「ごめん」と謝りながら、それでも意識は光希のことへ向かっていく。
「やっぱり新菜は光希のことあんまり覚えてないんだね。たしかに女の子っぽいところもあったけど、光希はれっきとした男の子だよ」
遥にもう一度真実を伝えられても、やっぱりあたしの頭は受け入れられそうになかった。
パニックを起こすあたしをよそに、遥の話は続く。
「それでね、あたし思ったの。オババが言ってたでしょ? カミサマは男社会の生んだ負の側面だって。
ならそのカミサマが人を助けたくて始めた儀式に、男の子が紛れ込んじゃって、その上カミサマ側に《いらない子》として渡しちゃったら……あんまりよくないんじゃないかなって」
そのときだった。
す……っ、す……っ。
着物を床にする音が聞こえたのは。



