「電話誰からだったの?」と桐香の問いに、私は「悠雅さん」と答えた。

「で、悠雅さん何だって?」
「あと5分でうちの学校に来るから待ってて。だそうよ。あと桐香もね。と言っていたわ」

「結香姉、悠雅さん。オレにも用事って、また何か面倒なことに巻き込まれるんじゃないの?」

確かに悠雅さん、桐香もって。本当に何の用事かしら。

それから3分たったくらいに、悠雅さんは私達の学校の正門前に着いた。

「結香。卒業式ぶりね。桐香は久しぶり。今日はあなた達に話があって来たのよ」
「悠雅さん久しぶり。元気そうですね。ところでオレ達に話って何ですか?」と桐香。
「そうだったわ。結香・桐香2人共、ウチの族。「sky」に入りなさい」

はい?今悠雅さん私達になんて言った?

私には今、暴走族で有名なあの「sky」に入れって聞こえたような・・・

聞き間違いだろうか?

私は確認の意味もこめて、悠雅さんに聞いた。

「悠雅さん、今なんて言いましたか?もう一度お願いします」
「結香と桐香の2人に「sky」に入ってほしいの」

どうやら聞き間違えじゃあ、ないらしい。

でもそれなら何故、私と桐香が「sky」に勧誘されているの?

私はそれが不思議でならなかった。

「他の10人はもう「sky」に入っているわよ」と悠雅さんは言った。

他の10人とは、私の幼なじみの
藤咲姫香(ふじさきひめか)
鮎川ひなた(あゆかわひなた)
椎名みかせ(しいなみかせ)
瀬戸ななせ(せとななせ)
桜城青華(さくらぎあおか)
池内葵(いけうちあおい)
瀬戸咲夜(せとさくや)
姫倉奏多(ひめくらかなた)
黒瀬桐夜(くろせきりや)
柊武人(ひいらぎたけと)
おそらく悠雅さんは、この10人のことを言っているのだろう。