◯◯side
ピピピピッ!ピピピピッ!
スマホの目覚ましの音が眠りの邪魔をしてくる。
んー。
今日学校か~と思いながら重たいまぶたを頑張って持ち上げてうっすらと目を開ける。
眠い…
でも、初登校の日だと思うとだんだんテンションが上がってきた。
「起きるか!」
声に出して気合いを入れ、布団から這い出る。
「おはよう。」
私の部屋は2階にあるので一階に降りて声をかける。
「おはよう。今日はお弁当いるのよね?」
「うん。」
父は単身赴任中なので弟と一緒にダイニングの椅子に並んで座って朝ごはんを食べる。
母はその間にお弁当や水筒の準備をしてくれている。
「早めに食べちゃいなさいよ。」
「わかってるよ。」
寝起きが悪い私はつい、強めに言ってしまう。
またやってしまった。
母はそのことを知っているので特に何もいってこない。
「ごちそうさま。」
食器を下げてまた二階にあがり、鞄と制服を持って降りる。
顔を洗って歯を磨いたら制服に着替える。
真新しい制服を着るとなんだか不思議な気持ちになった。
憧れの制服だったから受験の頃から何度も見ていて、ずいぶん前から着ていたような気すらしてくる。
だけど、まだ型崩れしていない固い制服があなたまだまだね。とでも言っているような気もする。
不思議だ。
髪をきちんと結び直すと気持ちも引き締まる。
なんだかワクワクする。
回ってみてもいいかな?
全身鏡の前で一度クルッと回ってみる。
やっぱりこの制服可愛いな~
「よかったね。第一希望に受かって。」
ニヤニヤしながら洗面所のドアの隙間から母がこっちを見ている。
見られた!
制服で浮かれていたのを見られてしまって頬が赤くなるのがわかる。
「私はセーラーだったから、ブレザーうらやましいわ~」
とだけ行ってドアを閉めていった。
恥ずかしい…
そんなことをしていると、待ち合わせの時間が迫ってきていた。
「いってきます!」
スクバとお弁当、自転車の鍵をひっつかんであわてて玄関を出る。
こういう急いでる時に限って鍵がなかなかささらない。
なんとか鍵を回して待ち合わせ場所へと急ぐ。
家は近所なのでお互いの家の中間にある公園で待ち合わせだ。
「おはよう!」
着いたらもうみなはもう着いていた。
「おはよう!寝坊しなかったよ!」
「ごめんね、私の方が遅くなっちゃった。」
「本当だよ。制服でうかれてたんじゃない?」
クスクスと笑いながら図星をつかれてしまった。
「バレたか」
「だって、ずっと言ってたし(笑)」
「行こっか」
学校を目指し自転車をこぎ始める。
家は田舎だけど学校は町の方にあるので、どんどん景色が変わっていく。
最初は川沿いを走り、だんだん車が増えてくる。
気づけば周りはビルばかりになり、山は見えなくなっている。
道はどんどん平坦になっていき走りやすくなっていく。
だが、道沿いに綺麗に並べられた街路樹や花壇の花以外に緑はない。
なんだか、安心感が減るな、なんて考えながら進むとあっと言う間に学校だ。
「おはようございます!」
先生や生徒会らしき先輩方が正門で挨拶運動をしている。
「おはようございます。」
少し小声気味で返事をしてサッサと通りすぎる。
こういうのは苦手だ。
どの程度で返せばいいのかがわからない。
「おはようございます!!」
一際大きな声が聞こえてきた。
振り替えると昨日の絆創膏をくれた彼が自転車に乗っているのが目に入った。
「あの人すごいね~」
みなもビックリしている。
二人してつい足を止めてしまった。
「あ、おはようございます!」
さっきより少し控えめに、でもはっきりと私たちのことを見て声をかけてくれた。
「おはようございます。」
なんとなくつられて敬語で返す。
「おはよう~」
みなはサラッと敬語解除している。
こういうところがうらやましい。
今こそ昨日のお礼を言うときだ!
『あの』
私と彼の台詞が被ってしまった。
「あ、すみません!先どうぞ」
「いえ、俺の方こそ。えっと、昨日は大丈夫でしたか?」
「はい。大丈夫です。昨日はありがとうございました!おかげですごく助かりました。」
彼は照れた様にしながら
「なら、よかったです。」
と返してくれた。
「じゃあ。」
彼は先に駐輪場へと自転車で走っていった。
そのまま彼をぼんやりとながめる。
「気になってる?」
「うん。」
「あら、素直に認めた!」
「え!」
お礼が言えてよかった。もう少し話してみたかったな。
そんなことを考えていたら無意識にうんと答えてしまっていた。
「協力してしんぜよう!」
「いやいや、いいよ。そういうのかまだわかんないし」
「そうかな~」
少し不満そうに、でも楽しそうなみな。
これはしばらくいじられるぞ。
とりあえず駐輪場へと進みながらみなの言葉を思い返す。
気になってるのかな…
でも、みなが言ってるのはたぶん恋愛的な意味。
私が思ってるのは本当に恋愛的な意味なのかはわからない。
今までも好きな人がいなかったわけではないが、恋愛に全力を注ぎたくなるほど好きになった人はいない。
私って冷めてるのかな?
「まぁ、いいや。また聞くし」
ニヤッといたずらに笑うみなは気を使ってくれたのだろう。
キーンコーンカーンコーン
「これ、予鈴だよね?やば!急ごう!」
本鈴の5分前に鳴る予鈴が聞こえてきたので話はそこで終わった。
正直なんて答えたらいいのかわからなかったからとても助かった。
ピピピピッ!ピピピピッ!
スマホの目覚ましの音が眠りの邪魔をしてくる。
んー。
今日学校か~と思いながら重たいまぶたを頑張って持ち上げてうっすらと目を開ける。
眠い…
でも、初登校の日だと思うとだんだんテンションが上がってきた。
「起きるか!」
声に出して気合いを入れ、布団から這い出る。
「おはよう。」
私の部屋は2階にあるので一階に降りて声をかける。
「おはよう。今日はお弁当いるのよね?」
「うん。」
父は単身赴任中なので弟と一緒にダイニングの椅子に並んで座って朝ごはんを食べる。
母はその間にお弁当や水筒の準備をしてくれている。
「早めに食べちゃいなさいよ。」
「わかってるよ。」
寝起きが悪い私はつい、強めに言ってしまう。
またやってしまった。
母はそのことを知っているので特に何もいってこない。
「ごちそうさま。」
食器を下げてまた二階にあがり、鞄と制服を持って降りる。
顔を洗って歯を磨いたら制服に着替える。
真新しい制服を着るとなんだか不思議な気持ちになった。
憧れの制服だったから受験の頃から何度も見ていて、ずいぶん前から着ていたような気すらしてくる。
だけど、まだ型崩れしていない固い制服があなたまだまだね。とでも言っているような気もする。
不思議だ。
髪をきちんと結び直すと気持ちも引き締まる。
なんだかワクワクする。
回ってみてもいいかな?
全身鏡の前で一度クルッと回ってみる。
やっぱりこの制服可愛いな~
「よかったね。第一希望に受かって。」
ニヤニヤしながら洗面所のドアの隙間から母がこっちを見ている。
見られた!
制服で浮かれていたのを見られてしまって頬が赤くなるのがわかる。
「私はセーラーだったから、ブレザーうらやましいわ~」
とだけ行ってドアを閉めていった。
恥ずかしい…
そんなことをしていると、待ち合わせの時間が迫ってきていた。
「いってきます!」
スクバとお弁当、自転車の鍵をひっつかんであわてて玄関を出る。
こういう急いでる時に限って鍵がなかなかささらない。
なんとか鍵を回して待ち合わせ場所へと急ぐ。
家は近所なのでお互いの家の中間にある公園で待ち合わせだ。
「おはよう!」
着いたらもうみなはもう着いていた。
「おはよう!寝坊しなかったよ!」
「ごめんね、私の方が遅くなっちゃった。」
「本当だよ。制服でうかれてたんじゃない?」
クスクスと笑いながら図星をつかれてしまった。
「バレたか」
「だって、ずっと言ってたし(笑)」
「行こっか」
学校を目指し自転車をこぎ始める。
家は田舎だけど学校は町の方にあるので、どんどん景色が変わっていく。
最初は川沿いを走り、だんだん車が増えてくる。
気づけば周りはビルばかりになり、山は見えなくなっている。
道はどんどん平坦になっていき走りやすくなっていく。
だが、道沿いに綺麗に並べられた街路樹や花壇の花以外に緑はない。
なんだか、安心感が減るな、なんて考えながら進むとあっと言う間に学校だ。
「おはようございます!」
先生や生徒会らしき先輩方が正門で挨拶運動をしている。
「おはようございます。」
少し小声気味で返事をしてサッサと通りすぎる。
こういうのは苦手だ。
どの程度で返せばいいのかがわからない。
「おはようございます!!」
一際大きな声が聞こえてきた。
振り替えると昨日の絆創膏をくれた彼が自転車に乗っているのが目に入った。
「あの人すごいね~」
みなもビックリしている。
二人してつい足を止めてしまった。
「あ、おはようございます!」
さっきより少し控えめに、でもはっきりと私たちのことを見て声をかけてくれた。
「おはようございます。」
なんとなくつられて敬語で返す。
「おはよう~」
みなはサラッと敬語解除している。
こういうところがうらやましい。
今こそ昨日のお礼を言うときだ!
『あの』
私と彼の台詞が被ってしまった。
「あ、すみません!先どうぞ」
「いえ、俺の方こそ。えっと、昨日は大丈夫でしたか?」
「はい。大丈夫です。昨日はありがとうございました!おかげですごく助かりました。」
彼は照れた様にしながら
「なら、よかったです。」
と返してくれた。
「じゃあ。」
彼は先に駐輪場へと自転車で走っていった。
そのまま彼をぼんやりとながめる。
「気になってる?」
「うん。」
「あら、素直に認めた!」
「え!」
お礼が言えてよかった。もう少し話してみたかったな。
そんなことを考えていたら無意識にうんと答えてしまっていた。
「協力してしんぜよう!」
「いやいや、いいよ。そういうのかまだわかんないし」
「そうかな~」
少し不満そうに、でも楽しそうなみな。
これはしばらくいじられるぞ。
とりあえず駐輪場へと進みながらみなの言葉を思い返す。
気になってるのかな…
でも、みなが言ってるのはたぶん恋愛的な意味。
私が思ってるのは本当に恋愛的な意味なのかはわからない。
今までも好きな人がいなかったわけではないが、恋愛に全力を注ぎたくなるほど好きになった人はいない。
私って冷めてるのかな?
「まぁ、いいや。また聞くし」
ニヤッといたずらに笑うみなは気を使ってくれたのだろう。
キーンコーンカーンコーン
「これ、予鈴だよね?やば!急ごう!」
本鈴の5分前に鳴る予鈴が聞こえてきたので話はそこで終わった。
正直なんて答えたらいいのかわからなかったからとても助かった。
