□□side

「おはよう!」

「どうしよう!?クラス離れちゃったよ~」

「やった!」


入学式の日はたくさんの声が溢れている。


俺がこの学校を選んだのは家から近かったことと野球がそれなりに強いことだけで選んだ。

家から近いからそれなりに友達もいるけど特別仲がいいやつがいるわけではない。

両親は先に行くと行ってもう体育館に入っていった。息子のクラスも聞かずどこで待機するかわかるのだろうか。
母さんはしっかりしてるけどたまに抜けている。父さんは黙ってついていくばっかりだしな。

とりあえずクラス発表を見るか

A組のところに自分の名前を見つける。
それにしても、クラス発表の掲示板を一ヶ所にしか設置していないのは失敗ではないだろうかと思えてくる。
俺は背がそれなりにあるから見えるけど小さい人は見えるんだろうか…

割と掲示板から離れたところから自分のクラスを見て少し離れてからそんなことを考えながら掲示板に集まる人の様子をぼんやり眺めていると、盛大に一人の女子がこけてしまった。

ええ!やっぱり危ないだろ。

ザワザワ…

周りは口々に好きなことを言っているだけで誰も手を貸さないし声もかけていない。

''大丈夫ですか?''

そう声をかけようと思った瞬間、彼女は自力でスッと立ち上がり前をしっかりと見据えながら歩いていってしまった。