「話を戻すね。でも、シスターからヘレンが死んでしまって、君は孤児院に残るって聞いて...。ヘレンと離れ離れにさせるのは君にとっても、ヘレンにとっても、よくないんじゃないかって思って。あえて行かなかったんだ。...これで分かった?」
ジュリアは痛いほどよくわかった。この人(シャルル)が自分たちのことをよく考えてくれた上での行動だったっていうことを。
「はい。すみません。先ほどの無礼をお許しください。」
シャルルの思いを聞いたジュリアは素直に謝った。
「いいよいいよ。そんな。ちゃんと会いに行かなかった僕も悪いし。勝手に決めちゃってごめんね。でも...」
シャルルはそこで言葉を切った。
「本当にヘレンに...そっくりだ...」
顔を歪ませながらシャルルはつぶやく。
「そんな...っ。姉さんは私と違う。もっときれいで、ずっと優しくて。
もっと...もっと...長生きするはずだった。...なのに!」
共通の大切な人を亡くした人をジュリアは無意識に求めていたんだろう。
再び泣き出したジュリアの肩をシャルルは優しくさする。
「ヘレンはどんな最期だったの?」
「...。」
シャルルに問われ、ジュリアは考えた。言ってもいいのだろうか...と。
何も答えないジュリアにシャルルは確信に近い笑みでさらに問う。
「病死って聞いたんだけど...?そんなに急に発症するほど、重い病気だった?」
「...毒殺、されたんです。姉は。貴方を苦しませないように、病死と伝えてと。」
「そうだったのか...」
何も気づいてあげられたかった無力感にシャルルの胸はいっぱいになる。
「姉は優しい人だった。自分を殺した者を...庇ったんです。」
ぽつりぽつりとジュリアは話し出す。

