一瞬、時が止まったかのように思えた。 艶のある綺麗な長い黒髪、透けるように白い肌、桜色の唇、細長い手足……そして彼女を包むのは純白のワンピース。 舞い散る桜は彼女を一層美しく飾り立てる。 そんな彼女の姿を、絶望的に美しいと思ってしまった。 どこかで不安と焦燥をちらつかせる、散りゆく桜。 あわよくば、この瞬間が永遠に続いて欲しかった。 *