家の中はやけに暗かった。アテナが部屋の隅っこにいる。ナタリーは「アテナ……」と呟いた。

「私を、どうするつもり?」

アテナはロネたちに鋭い視線を向ける。ロネはアテナと初めて会った時のことを思い出した。アテナはまだ心を閉ざしてしまったのかもしれない。それでも、ロネは伝えたいことがあるのだ。

「アテナ、俺たちはアテナの味方だよ」

アテナの目が大きく揺れる。ナタリーが口を開いた。

「私たち、友達じゃない!どんな秘密だって受け止めるよ」

「俺たちにお前を守らせてくれ」

ネイサンもそう言う。アテナは泣き出しそうな顔を一瞬見せ、俯いた。

「私は……生きていていいのだろうか?」

ロネは耐えられず、アテナを抱き締める。そして言った。

「アテナは何も悪いことはしてない!前を向いて?俺たちは絶対離れないから!」

アテナを安心させるように、ロネはアテナに優しく唇を落とす。アテナの目から涙があふれた。

「ありがとう」

その声は、三人の耳にしっかりと届いた。