へたくそなキスのままがいい



「……またガキ扱いしやがって」

「ごめん、なんか可愛くて」


ムスッとしている廉の不機嫌顔は継続のまま。


そろそろもうお店から出ないとな。

リョウさんが鍵を閉めに来てしまう。


「廉、とりあえず先にここを────」

「紗和、」


先にここを出よう。

そう言いかけた言葉は、廉によって遮られた。


廉の頭を撫でていたはずの手は、パシッと廉に掴まれてしまっていて、動こうにも動けない。