へたくそなキスのままがいい



キョロ、と辺りを見回した。


さっきまでいたはずの廉の姿が見当たらない。


……ホールに戻った?入れ違いかな。


ホールと厨房への道は2カ所あるから、反対側から戻ったのかもしれない。



私も戻ると、やっぱり先に戻っていたらしく、レジのところに廉はいた。


「あれ、襟元隠しちゃったんだ?」


レジに近づいた私に気づいた廉が、私の首を見てニヤリと笑う。