へたくそなキスのままがいい



「紗和ちゃん?」

「っ、あ、ごめん。えと、いつものセットでいい?」

「うん。あ、砂糖とミルクなしでね」

「あはは、まだやるんだ、それ」


いつも通りなユウくんのその注文に、思わず笑ってしまう。


注文票にサラサラと書き込むと、私はそれを厨房へと持って行った。



「リョウさん、3番テーブルお願いしまーす」

「はーい。いつものサンドイッチとコーヒーセットかな」

「はい、コーヒーはブラックで」

「うん、了解」


ユウくんの注文は今までだって一度も変わったことがない。

だからなのか、もうリョウさんはサンドイッチの材料を用意していて、思わず笑みが溢れる。