隣のアイツ

「今俺が上書きしたから」


そっか…消毒、ってやつかな。
でも…

「いや…」


「え?」


「足りない」


「沙奈?」


1回の消毒なんかじゃ足りない。
本当に本当にあれは嫌だったから。


「1回じゃ足りない。もっと圭太で上書きしたいの…ダメ?」


「…やば」


そう言うと、他の首の箇所にも痛みが走る。


「ん…圭太…ぎゅってして」


多分こんなこと言えたのは、きっと甘すぎるこの空気のせいで頭がクラクラしてるからだ。


「ほんとに可愛い。絶対誰にもやらねぇ」