隣のアイツ

名前もよく知りもしないヤツに…?


そう思うと、また涙が溢れてきた。


「わ、泣くな。お前に怒ってなんかねーんだから」


「だ、だってぇ…私、そんなっ…ふっ…」


「他の男が沙奈にそんなことしたって事実がむかつくんだよ」


「へ…?私…ひゃあ!」


圭太が、私の髪の毛をさらっと掻き分けて、あの男に付けられたキスマの上を舌でなぞる。


「まって…圭太、なんか…へん…」


ゾクゾクする感じが全身を駆け巡る。
なんか…力入んなくなる…。