隣のアイツ

「…お前さぁ、ほんと。そーゆーとこだぞ」


「えっ、なにが?」


「なんで我慢してんのに煽ってくんの…」


「あ、煽ってなんかないし!私圭太と喧嘩しようとか思ってもないし!」


「そっちの煽るじゃねーよ…」


はぁ、と圭太はため息をつきながら、右手は私の腰、左手は私の後頭部をもって、ギュッと抱きしめた。


わ…やっぱり圭太も男の子だよね。
なんか、包まれてる感じがする。


心臓が更にうるさくなってる。
こ、これ以上は持ちそうにない。苦しい。


「あのっ…雷ももう聞こえないし、雨も弱まったからそろそろ、帰ろうかな…」


「…帰んの?」