隣のアイツ

離してほしいわけない。

ずっとずっとこの距離にいたいけど。


これに慣れてしまったら、圭太と元の関係に戻れなかった時のショックが大きくなるだけ。


「沙奈、こっちみて」

「へっ…わっ!」


圭太の両手で、私の両頬を挟まれる。

そのまま強制的に視線が合う。

涙で絶対ぐちゃぐちゃなのに見られたくない。


「…泣いてる理由教えて。」