「どーしたの、三浦さん。悩みごと?」
上から落ちてきた声にビクッとする。
あわてて顔を上げると、そこには水城君が立っていた。
「やだなあ、そんな驚かなくたって」
そこ、おれの席なのにと、ポケットに手を入れて笑いながら話す。
「あ、水城君ありがとう〜」
いそいそと席を立った亜美菜は戻るとき一瞬振り返って謎のウィンクをよこしてきた。
好きって言ってないよね....。
心の中で言い訳をして前に向きなおり次の授業の準備をはじめる。
「あっ」
体育だ、最悪....。
私のクラスは運動部に入っている人の方が多いので、走るのが好きな人が多い。
私は走るのが苦手なんだよなぁ...。
部活も帰宅部だし...。
ちょうど、お昼の終わりを告げるチャイムがなったので、机の横にかけてある体操着を持って亜美菜と女子更衣室に向かった。
