「なんで言わなきゃなんないの」
「ねぇ、言ったほうが身のためだよ?
一応ここ、国内No.1の暴走族の倉庫だし」
…っ。
苦しんで死ぬのは絶対にいや。
「…言えばいいんでしょ」
「空気読めんじゃん」
青野とかいう奴がそう言って頭をぽんぽんとした。
「…別に、両親が死んで親戚の家追い出されて高校行ってないから友達居なくて生きてる意味ないってだけだけど」
あえて、余命のことは言わないでおいた。
「そっか、言ってくれてありがとな。
じゃあお前は今日からこの族の女だ。
つまり、俺の女だ」
……は?
「意味わかんない、なんでそうなんの」
「生きる意味がないから死ぬんだろ?
…なら、俺たちのところにこいよ」
もうすぐ死ぬんだから、居場所なんて必要ない。
「…総長がそういうんなら決定事項だ。
あんた、姫だ」
新とかいう奴が言った。
「そういうこと。きて君」
絢兎とかいう奴がわたしの手を引っ張った。
「聞けー!この子、蓮華の姫になった。
全力で守れっ!」
「「「はいっ!」」」
は、意味わかんない。
わたしがいつ姫になるって言った…
「ねぇ、なんで泣いてる人がいるの」
「ここにいる人はみんな健斗に救われたんだよ。だから喜んでんの。はい挨拶する」
マイクを無理矢理渡された。
「七瀬、透花です。よろしくお願いします…」
「「「お願いします!!」」」
お願いしたくない。
「君、七瀬透花っていうんだね?
透花ちゃん、よろしく」
「…絢兎くん」
もう逃げられなさそう。
直感で思ってしまった。
