次の日、荷物を必要最低限だけ残し他のものは捨てた。
蒼野、蒼野、蒼野。
散々お世話になって急に消えて、
怒ってるかな。
…忘れなきゃ、ならない。
病院にでも行こうかな。
「先生、わたしあと1ヶ月ですよね」
「…1ヶ月"弱"だ。
本当に苦しくなったら電話しなさい。
本当なら今すぐ入院させたいんだが」
「死んだら、誰が火葬してくれるんですかね」
「俺がしてやる」
嘘つき。
「なんで治らないんですかね」
「今の医療では無理だ」
「なんで、わたしなんでしょうね」
「……ごめんな」
「…いいんですごめんなさい。
睡眠薬、ください」
「出来るだけ、飲まないで欲しいんだが」
「寝れないんです」
「…わかった」
神様、わたし前世で何かしましたか。
どうしたら蒼野と結ばれる運命になれたんだろう。
死にたくない。
死にたくない。
だけどもう、死にたい。
わたしの矛盾の固まりは、
腹立たしいほど青い空に溶けてきえた。
