余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる



その日の昼あたり、出ていくことを決めた。


夜になったらキスが降り、もっと好きになってしまうから。


何も言わないつもりだったけど、他の暴走族に連れ去られたと勘違いされると困るから簡単に手紙を書いた。



[今までありがとう。

今日でここから出ていきます。
勘違いしないで欲しいんだけど、
他の暴走族に連れ去られたわけじゃなくて
自分の意思で出ていきます。
絶対に探さないで]


探さないでね、もっと好きになってしまうから。

キャリーケースに荷物を詰め込んで、こっそり倉庫を出た。



「…ばいばい、蒼野」

これで、死んでも全く悔いはない。


近くのホテルにでも泊まるとしよう。



あぁもう本当に生きていたくない。

だけど、死ぬのが怖い。





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その日の夜7時ごろ、大量のLINEが送られてきた。

電話もたくさんにかかってきた。


LINEには、全て既読をつけた。

わたし、生きてるよと伝えるために。
そして、自分は生きていると自覚するために。




その日は、どうしても眠れなくて久しぶりに睡眠薬に手をつけた。


苦しい。

苦しい。

苦しい。



わたしの命は、残り1ヶ月。