余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる



段々と落ち着いていく呼吸に、3人は安心の色を見せた。


「なにがあった?」

「…怖い夢、見ちゃって」


長く白い手が迫り狂う。

怖い、死ぬことが怖い。


初めてそう思ってしまった。


「ん、そっか。怖かったな。
ごめんな、布団抜け出しちゃって。」

蒼野は、優しく背中をさすってくれた。



ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえ、朝だと気付いた。



…好きになってしまったからには、今すぐ消えないといけない。

もっともっと、愛しくなる前に。


蒼野が、わたしを本気で好きと言わないように。


みんなが、傷つかないように。


あいつ死んだんだと笑ってもらえるように。


青野に、迷惑をかけないように。



というか、みんなに死んだと気づかれない方がいいな。




どこかへ、消えなくちゃ。