段々と落ち着いていく呼吸に、3人は安心の色を見せた。
「なにがあった?」
「…怖い夢、見ちゃって」
長く白い手が迫り狂う。
怖い、死ぬことが怖い。
初めてそう思ってしまった。
「ん、そっか。怖かったな。
ごめんな、布団抜け出しちゃって。」
蒼野は、優しく背中をさすってくれた。
ちゅんちゅんと鳥のさえずりが聞こえ、朝だと気付いた。
…好きになってしまったからには、今すぐ消えないといけない。
もっともっと、愛しくなる前に。
蒼野が、わたしを本気で好きと言わないように。
みんなが、傷つかないように。
あいつ死んだんだと笑ってもらえるように。
青野に、迷惑をかけないように。
というか、みんなに死んだと気づかれない方がいいな。
どこかへ、消えなくちゃ。
