余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる


だけど、わたしは治らない。


「どうせ、治らなくて死ぬんでしょ?」

「だけど1日でも長く生きるにはそうするしかないんだ」


その1日は、わたしにはいらない。


「わたし、今死んでも構わないの」

そう言ったとき、何故か蒼野の顔が浮かんだ。


「どうせ死ぬんだから、入院なんてしない」

「…そうか、君が言うんならいい。
痛み止め、増やすかい?」


平和に生きたいのだ。

…驚いた、生きたいと思ったことに。


「増やしてください。」


沢山の薬を貰った。

痛み止めだけでなく、色々な。


1日どれだけ飲むんだろう。


「これ以上無理をするな。
…これを渡しておく。息がしにくくなったときに使うんだ」

渡されたのは、手頃なサイズの酸素吸入器。

重症患者だからと3つも渡されてしまった。




刻々と近づく死。

嬉しかったはずなのに、
今はほんの少し苦しい。



大きな袋を持たされて、LINEを送った。