余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる


次の日、蒼野の後ろに乗って病院に向かった。

「悪い、俺ちょっと行かないといけないから
終わったら電話かLINEして」

「わかった。ありがとう」




いつも通り3階に行っていつも通りの場所へ行くといつも通りの先生がいる。

先生は、いつもと同じ表情ではない
少し心配そうにこう言った。


「…なにか、心拍数が上がるようなことした?」

「バイク、人の後ろに乗った」

「最近ちょっと楽しいでしょ」

「正直、はい」


死ぬことはいつも考える

だけど、最近はわたしに構ってくれている人がいる、それだけでなんだか楽しかった。

楽しいなんて、思っちゃいけないのに。


でも、まだ笑っていない。

笑った瞬間、わたしは終わるだろう。



「精神面では良くなってるかもしれないけど、体は悪化してるよ」

前よりも、ほんの少し悲しいような気がした。

「宣告した4月1日から2ヶ月後の6月1日まで生きれると思っていたろうけど、無理かもしれない。

…自分でも察していただろう?」


ふとしたときに襲う息のしにくさ、
ふとしたときに襲う心臓の痛み。

それが増えていることはわかっていた。


薬も飲んでいるのに。


「入院、した方がいい」

先生はそう言う。