余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる



3人が帰ってきたのは、約40分後。


絢兎が慌ただしくドアを開けた。

「透花!!襲ったのは雀瓦だった!
すげぇな透花の勘!」


どうやら、勘が当たったらしい。

良かった。


そして蒼野は、わたしの頭をくしゃくしゃと撫でた。


「明日から、忙しくなるぞ」

新さんがそう言って、2人が頷いた。

戦う気だろうか。


「明日わたし病院に行ってくる」

伝えといたほうがいいだろう。


「病院…?どうした」

なんと答えればいいんだろう。


「偏頭痛もってるから、薬を貰いに」

咄嗟に出た嘘だ。


「そっか、危ないから送ってく」

「大丈夫。そこまで遠くないし」

何よりバレる危険性がある。


「そうは言っても一応お前は姫なんだから、
狙われるんだよ」

…なるほど。


「ごめんね、忙しいときに」

「気にすんな」

蒼野は、本当に毎日一緒に寝てくれる。

そして、毎日わたしの唇にキスを落とす。


いつの間にか、少しも嫌ではなくなっていた。