余命2ヶ月の少女は総長と恋に落ちる



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この場所にきて、2週間が経った頃。


一階へ降りると、10人くらいの人が
怪我をしていた。


「…何があったの?」

「…っ、姫さん。恥ずかしいことにどっかの族に襲われちまいました」

「蒼野は、知ってる?」

「蒼野…?あぁ、健斗さんですか。
はい、知ってます。今二階で調べてると。」

「手当て、するよ」

「いや、姫さんにさせるわけには…っいてぇ」

「怪我人は黙って手当てされて」

「…すみません」


随分とひどい怪我だ。


顔や膝や至る所に傷がある。

怪我で思い出したけど、明日あたり病院に行かないといけない。


一通り手当てを終え、幹部室へ向かった。


幹部室にいる3人は、忙しそうにパソコンを打っている。


「ねぇ、雀瓦(じゃくが)じゃないの?襲ったのって」

「…なんでそう思った?」

「ただの勘だけど」


あの怪我の仕方は多分雀瓦だと思う。

中学生時代、隣の席の子が雀瓦にやられたと
膝と顔を怪我していたから。

それだけじゃなんの証拠にもならないから、
ただの勘と言ったほうが正しいだろう。


「…勘か」

「っ!行くぞ健斗、絢兎!」


新さんは何かがわかったらしく慌ただしく
3人はそこへ飛び出した。


「わからないが近くにあいつらがいる。
問い詰めてやったといえばそいつらだろう」


…行ってしまった。