「透花、ごめんな。物騒な絵面見せて。
暴走族の姫になるんだったら喧嘩見せとこうと思って」
…あぁなるほど。
「あの強いほう、蓮華?」
「あぁそうだ。気分悪りぃだろ?帰るか」
別に気分は悪くないけど、お腹が空いたし
帰りたい。
死ぬとしても、今は人間なのだ。
お腹は空くし眠たくもなる。
「帰る」
なんだか、無償に敬意が溢れてきて
家に帰った後あの3人にご飯を作った。
3人がいる幹部室に入った。
「から揚げ作ったんですけど、入りませんか」
「透花作ってくれたの?ありがと!」
絢兎がかわいらしく言う。
3人は、しっかり食べてくれて久しぶりに嬉しかった。
「透花食べねーの?」
「食べない」
さっきご飯とから揚げ3つ食べたし
「食べねえから細いんだよ、食え。
こっちきて」
蒼野がわたしを呼んだ。
隣に腰を下ろそうとすると、下ろそうとした瞬間に蒼野がわたしを引き寄せたせいで
蒼野のひざの上に座ってしまった。
「かっる。はいあーん」
意地でも食べさせる気だこいつは。
「見せつけんなよ健斗」
無理矢理に食べさせられる。
「なんだお前、人並みに顔赤くなるんじゃん」
絢兎にそう言われて、頬を触ると確かに熱かった。
わたしに赤なんて似合わない。