智之は 堪えきれずに 言ってしまう。 「やっぱり。軽井沢の 麻有ちゃんだよね。」と。 溢れ出す笑顔で。 一瞬 戸惑って 目が泳ぐ麻有子。 智之が渡した 名刺に目を向けて 驚いた声を出す。 「智くん?」 昔と同じ 大きく綺麗な目で 真っ直ぐ 智之を見て。 笑顔で頷く智之。 自分の 止まっていた時計が 動き出したことに気付く。