麻有子と過ごした夏は かけがえのない 夢のような時間だったから。 あんな素敵な時間を 過ごしてしまったから それからの日々を 空しく思ってしまうのか。 でも あの夏を 知らない方がいいとは思えない。 どんなに 今が空虚でも あの夏があって良かったと 智之は思い続けていた。