疾走したら、恋。



とりあえず選考会は解散となり、部員達は部活に入る。

吏久のみ紅映と吏名の方に来る。


「じゃあ、早速明日からお願いします」

「え、今日は無いんですか?」

「今日いきなりは大変でしょ?」

「あたし、できますよ!そんなこともあろうかと、予定空けておいたんで!」

「そう?じゃあお願いしようかな」


吏久と紅映の会話の最中、吏名は周りを見渡していた。


「早乙女さんは、どうする?」

「顧問の先生、いないんですか」

「顧問?」


彼女が頷くと、吏久はアハハ…と笑う。


「うちの顧問、物理の東先生。
週に3回、短距離と長距離でそれぞれコーチが来てくれるんだけど、それ以外の日しか来ないよ」

「そうなんですか」


吏名はそう返して、


「…じゃあ」


と、そこから立ち去って行った。


「あれっ、行っちゃうの?」


そんな吏久の声は聞こえてないらしい吏名は、どんどん歩いていって職員室へ向かっていた。


「冴島先輩っ、あたしは何すればいいですか?」

「え、ああ…じゃあ、タイム計ってもらおうかな」

「はーい!」