疾走したら、恋。



「まずは3人に、自己紹介してもらおうかな。じゃあ、こっちから…」

「あたしからですね!」


先程、元気良く声を上げていた女子生徒からだ。


「えっと、1年3組の韮崎紅映です!
部活動紹介で見かけた先輩方が、とってもカッコ良くて、陰から支えたい!と思って、マネージャーを希望しました!選んでもらえたら、とても嬉しいです!よろしくお願いします!」

「熱量すげー!」


夕馬が楽しそうに反応する。
だが、紅映の瞳は吏久に向いている。


「自己紹介ありがとう。ちなみに韮崎さん、今まで陸上の経験は?」

「ないです…。あ、ダメですか?」

「ううん。経験者の方が優先されやすいけど…そこはあまり問題無いかな」

「良かったぁ…!」


紅映はわざとらしいまでに胸を撫で下ろす。


「じゃあ、次の人よろしく」

「あ、はい。えと…1年3組、芹沢香穂です。
紅映と同じく陸上の経験は無いですが、部員の皆さんを支えたいって思ってます。よろしくお願いします…」

「ありがとう」


紅映の付き添いレベルで来たんだろう。
だけど、仲良し2人だというのなら、この2人が選ばれるような気もする。

吏名の頭には少しだけ不安がよぎった。


「次の人、よろしく」


全員の視線が吏名に向いた。
部員達は、あの子可愛くね?いや綺麗くね?
と小声で口々に言っていた。