疾走したら、恋。



10分程待つと、ゾロゾロと部員が出てくる。

と、同時に、妙にタイミング良く女子2人がやって来る。吏名は、同じクラスの女子だとすぐに気付いた。


「ここで男子陸上部のマネージャー決めるんですかー?」

「うん、そうだよ。…さっきの子と合わせて3人かな。時間になったから、始めよっか」


部長らしい人がそう言って仕切る。

少しだけ、彼は吏名を見つめたように見えたが、彼女はあまり気にしなかった。

当然、気のせいだと感じたから。

私が一方的に知ってるだけ…。


「まず、俺が部長で2年生の、冴島吏久です。よろしくお願いします」

「お願いしまーす!」


吏名が軽く会釈をするだけなのに対し、女子の1人が元気良くそう返した。

連れのもう1人は、やめなよー、と笑いながら小声で言っていた。


「えー、なんかめっちゃ元気な子おるやん。いいねー。あっ、俺が副部長の武佐夕馬な!」


それから吏久が続ける。


「マネージャーの仕事としては、タイム計ったり、ドリンク作ってもらったり…あ、あと医療器具の準備とかしてもらえると嬉しいかなって感じです」


少しだけフワフワした説明に聞こえ、吏名は少し違和感を覚えたが、深く考えなかった。