「福原も物好きだな。人の価値ってクラスで決まるのかよ💢?!」

声を荒げる神田くん。

「別にクラスや、学力の価値って話し
してないだろ?
人格的に問題があるだろって話。
そういうのも通じないわけ?
小学校低学年かよ。」

見下すように笑う凛斗、
敵意にあふれた目で睨みつける神田くん。
隣で松本君がオロオロして
泣きそうになっている。

「マジで人として最低だな。
好きだって言ってくれた福原に
どういう態度とってんだよ💢」

「そういうのは女のほうが
上の立場にある時に使うもんだろ。」

「福原が下って言いたいのか?」

「もちろん。」

「じゃあ、
どうして気を持たせるようなこと
するんだよ💢」

「例えば?」

「怪我した時のこと」

「逆にあの状態でほっといたら、
いや、ほっとけるのか?」

「じゃ、何の意図もなかったのかよ!💢」

「ああ、逆に迷惑だ。」凛斗がそう言うと

「馬鹿じゃないの💢!!」

怒鳴り声が聞こえドアがバタンと開いて
怒り心頭の美音と石井さんが入ってきた。

「大地!最低なことしないで💢
桜沢くんに喧嘩売ってどうすんの?
完全に美葉菜の気持ち無視して、
自分の正義感押し付けてんじゃん!💢」

「凛斗、あんたも最低💢!うちらの部屋まで聞こえてるとか考えない?ありえない💢」

「いいから。2人とも…」聞こえる涙声。

松本くんが「福ちゃん!」と声をかけると

「分かった。大地ありがとう。
桜沢くん、迷惑でごめんね。」
頭を下げると

「ごめんヤバイかも…」
と走って部屋に戻ってしまった。

「美葉菜!」
「美葉菜ちゃん!」
と二人も追って行ってしまった。

ドアがバタンと閉まった後は
嫌な空気が部屋を包む。

外から美葉菜ちゃんの泣き声が聞こえる。

「お前ら…」二人を叱ろうとすると、

「最低だね。」

松本君が静かに、でもはっきり口に出した。