side零

俺と凛斗が登場した途端に
美葉菜ちゃんの頬が
ほんのりピンクになるのが分かった。
ついでに目もキラキラになる。

凛斗は気づいてないふりしてるけど
何気に少し嬉しそう。

美葉菜ちゃんの隣では神田君が
いかにも妬いてますみたいな顔して、
典型的な三角関係。

あ、三角関係と他にも…

「何で浩輝がいるのよ。」

「美音そんなこと言わないでよ〜。」

「本当にそうじゃん。」

「ええ〜。ところでこのイヤリングと
ワンピースの組み合わせ
美音しては珍しいスタイルだね。
ガーリーって感じ。」

「別にどんな格好をしようが
私の自由でしょ。…
似合ってる?」

「うん、めっちゃ可愛い。似合ってるよ。」

「ありがとう…」

ツンツンしてた美音が
あっという間に可愛くはにかむ。

ツンデレという言葉が
そのまま当てはまるな。美音には。

なぜ、なぜ
この人たちはこんなに不器用なのか?

あれか、
今まで相手の子から 
告白してたから、
いざ自分が好きになった時
何もできないのか。
経験値がないから。

凛斗に至っては恋してることも
気付いてないみたいだし。

いい加減気づけよ💢

ほら、こんな顔をするよりも
素直に認めた方が得だぜ。

美葉菜ちゃんが神田君と楽しそうに話し始めたらムスッとしてみている凛斗。

松本くんと石井さんが
神田君をからかってんのを
泣きそうな顔で見ている美音。

小学生以下の恋愛レベルだな…
今時小学生だって自分からアピールするぞ。

「そろそろ時間じゃない?」と歩き出したと同時に固まってる美音と凛斗をつつく。

2人が我に帰って歩き始めるのを見ながら

どうか、進展がありますように。

と願った。