side美葉菜

「大丈夫⁈顔パンパンだし、
目が真っ赤よ!」

おばさんが慌てて濡れタオルを持ってくる。

「みっちゃん泣いたまま寝ちゃったのー?
というかどうしたの?
足痛いのー?」

進斗くんが目をくりくりさせながら
心配そうに顔を覗き込む。

「足じゃないよー」

むしろ鎮痛剤のおかげで痛くないし。

「みっちゃん学校行けるか?」

蓮斗くんも心配してる。

「大丈夫、大丈夫。学校も行くから。」

本当は大丈夫じゃないけど。

昨日の桜沢くんとキス…

思い出して全然寝れなかった。

桜沢くんは気にしてないみたい。

今日は私が起きる前に
学校に行っちゃったし、

多分めっちゃモテるから、
キスぐらい日常茶飯事なのかも。

悪い想像が働いてぶんぶんと頭を振った。

まあ大丈夫。

もし、桜沢くんがそういう人だとしても
キスされたのは素直に凄い嬉しかったし、
(恥ずかしかったけど)


夏の制服に腕を通す。
今年の夏がもうすぐ始まろうとしていた。