side凛斗

「何だあれ…」

振ったらいきなり何かを投げつけてきた女子は隣にいた友達らしい男子2人に
回収されて行った。

「珍しいね、
怒って実力行使しようとするなんて」

横にいる零が笑いながら
「はい。」
と消しゴムを渡してきた。 

頭に当たったのは消しゴムらしい。'
“1-E福原“
と記名された白いシンプルな消しゴム。

「あの子、女バスの子でしょ。 
すでにエース候補の子。」
美音も横から消しゴムを覗き込んでくる。

「ま、Eだもんよく知らなーい。」

この学校では高校入試の点数順にA〜Eまで分けられてしまう。高い方がA低いのがEだ。ちなみに俺も零も美音もAだ。

「俺知ってる!最初、一緒にいた人は
パソコン同好会で
途中からの人は男バスの人だよ。」

情報収集が趣味の零がドヤ顔で報告すると、

「そうか、凛斗は高校でもモテ男か。」

美音が肩をポンと叩く。